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厚生局の個別指導(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)の実例です。あはきの個別指導は、厚生局の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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あはきの個別指導・監査の実例(1):架空請求の情報提供での個別指導

あはきの個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務をしています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


あはきの個別指導、監査(鍼灸マッサージ師)のコラムです。

ここでは、医療費通知を確認した患者から厚生局に架空請求の情報提供があり、個別指導、監査、受領委任の取扱いの中止となったはり師・きゅう師の実例(不正請求での中止)について、弁護士鈴木のコメント付きでご紹介します。近畿厚生局の令和4年2月付けの受領委任の取扱いの中止の実例であり、説明のため簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導に臨むあはき師(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)の方は、厚生局の鍼灸マッサージの指導監査の基本的な仕組みや個別指導への対応法など記載していますので、まずはこちらのコラムあはきの個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


海外渡航中の不正請求の情報提供での厚生局の個別指導


 1 個別指導、監査に至った経緯

1 患者からの不正請求の情報提供
医療費通知を確認した患者から保険者を通じて近畿厚生局京都事務所に対し、海外渡航中で受療していないにもかかわらずその間に療養費が請求されていた等の情報提供があった。

【コメント】
本ケースは、医療費通知をみた患者からの情報提供、通報により、厚生局の個別指導に至っています。個別指導がなされるきっかけとなる情報提供は、純粋に医療費通知の記載に疑問を感じたためといったケースもありますが、何らかの原因であはき師が患者や(退職した)従業員とトラブルになり、その患者や従業員から、(保険者を介し)厚生局に情報提供がなされたものであることが多いイメージです。厚生局から個別指導の実施通知が届いた場合、あはき師(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)において、思い当たることがあるケースも稀ではないものと思われます。

本ケースでは、海外渡航中で受療していないとの情報提供が患者からあり、これは、日本にいなかったことが強力な証拠により裏付けることができ、その患者が受療していないことが動かし難い事実として認定できるため、厚生局としては、監査などに移行させやすい類型の情報提供と考えられます。

日数の付け増し(水増し)請求や架空請求では、このように、海外渡航など、患者の不在などで患者が受療していないことが裏付けられる相応の証拠が厚生局側にある場合に、厚生局側の担当官がはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師に対し厳しく追及してくる印象です。なお、患者の一部負担金の徴収に関する書類、訪問鍼灸や訪問マッサージでは訪問スケジュールを示す書類などの施術所側の資料も、重要な証拠となる場合があります。

また、本ケースでは、施術をしていない日に施術をしたことにして療養費を請求していたこと(架空請求・水増し請求)が問題となっていますが、訪問鍼灸や訪問マッサージに関する個別指導では、往療料に関する不正請求・不当請求(過失による不正請求・不当請求を含みます)が問題となることも多い印象です。

2 個別指導の実施、監査の実施
厚生局が個別指導を実施したところ、はり師・きゅう師が不正請求を認めたため、当該はり師・きゅう師に対して監査を実施した。

【コメント】
本ケースでは、はり師・きゅう師が不正請求を自認し、個別指導から監査に移行しています。故意による意図的な不正な療養費の請求を行った場合、厚生局の基準によれば、受領委任の中止とされることになります。

 2 受領委任の取扱いを中止した理由等

1 中止の主な理由
施術を行っていないにもかかわらず、施術を行ったものとして、療養費を不正に請求していた(架空請求)。また、実際の施術日以外に施術を行ったものとして、施術日数を付け増して、療養費を不正に請求していた(付増請求)。

【コメント】
いわゆる施術日数の水増し請求を行っていたことが、厚生局の監査で認定されています。あはきの個別指導において施術師が認めた不正請求について、監査で確認されたものと考えられます。

なお、架空請求と付増請求の違いですが、1か月単位で判断し、1か月単位の療養費支給申請書(レセプト)でなにも適正な請求部分がない場合は架空請求と分類され、適正な部分と実際には行っていない部分が混在する場合が付増請求に分類されることになります。

施術日数の付け増し請求の場合、適正な部分のあるその月に実際に施術した患者の療養費の支給申請書に虚偽の日数を書き足すなどするものですが、架空請求の場合は、全く適正な部分のない療養費の支給申請書を積極的に新たに作出するものです。そのため、厚生局としては、付増請求に比し架空請求が悪質性が高いと判断するものと考えられます。

2 不正請求額
監査時に判明した不正請求額は、平成31年1月から令和2年6月までの施術分で、1名分25万8951円となっています。

【コメント】
上記はあくまで監査で判明したもののみであり、当該はり師・きゅう師の過去の不正請求について、厚生局が監査ですべて網羅的に調査確認したわけではないことに注意が必要です。

本ケースでは、1名分の不正請求で受領委任の取扱いの中止とされています。例え1名分であったとしても、不正請求(架空請求・付増請求)により、現実に、その1名が厚生局に情報提供し、個別指導となり、監査となり、中止となっていますので、あはき師(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)の方は、十分注意する必要があります。


個別指導、監査に臨むあはき師の方は、お電話下さい。
対応を弁護士がサポートし、指導監査に同席します。


あはきの個別指導と監査のコラム


あはきの個別指導と監査のコラムの一覧です。
情報提供でのあはきの個別指導の実例の他にもコラムがございます。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の方は、個別指導の際に、また日常の運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法


1 あはきの個別指導と監査


 2 あはきの個別指導・監査の実例


1 あはきの情報提供の個別指導

2 あはきの監査欠席での中止

3 患者家族の情報提供での個別指導


 3 あはきの療養費


1 あはきの受領委任の取扱いの制度概要

2 あはきの施術管理者の要件、療養費の支給対象

3 あはきの施術録(カルテ)、療養費支給申請書

4 あはきの初検料、施術料、往療料、施術報告書交付料

SUNBELL LAW OFFICE厚生局 個別指導 監査

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