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あはきの施術録(カルテ)の作成保管、療養費支給申請書の作成、長期頻回施術の償還払いへの変更をご説明します。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師への個別指導は、厚生局の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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あはきの療養費(3):施術録の作成保管、療養費支給申請書の作成

あはきの個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務をしています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の、施術録・カルテの作成保管、療養費支給申請書・レセプトの作成、長期・頻回の施術の償還払いへの変更について、ご説明します。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨むあはき師(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)の方は、厚生局の指導監査の基本的な仕組みや個別指導・監査への対応法など記載していますので、まずはこちらのコラムあはきの個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


施術録の作成保管、療養費支給申請書の作成、長期頻回施術の償還払い


 1 施術録(カルテ)の作成と保管

1 施術録(カルテ)の作成
あはきの施術者は、施術所に勤務する施術者を含め、患者に受領委任に係る施術を行った場合は、その施術に関して必要な事項を施術録(カルテ)に遅滞なく記載しなければなりません。

施術録には、受給資格、同意した医師の氏名等、同意疾病名、初療年月日、施術修了年月日、転帰、施術回数、具体的な施術の内容経過等、施術明細などを記載するものとされています。

厚生局の担当者が施術者に求める施術録(カルテ)等の記載の充実度は相応に高く、個別指導では、所見など含め施術録の記載の充実が指導されるイメージです。

2 施術録(カルテ)の保管
保険の施術録(カルテ)は、保険以外の施術録とは区別して整理しなければならず、施術の完結の日から5年間保存しなければなりません。この点について、いつを施術の完結の日と考えるか問題となりますが、厚生局の職員によっては、その患者の最終来所日から5年間は保管するよう指摘されることがあり、最終来所日が完結の日と考えることが無難と思われます。この見解によれば、継続して施術をしている患者については、継続して来所していますので、例えば6年前の施術録を含め、施術録の保存が継続して求められることになります。

また、患者に係るすべての同意書等の写しを、施術録の保存とあわせて施術が完結した日から5年間保存しなければならないとされています。こちらについては、保険の施術録と同様に取扱うことになろうかと思料します。

施術録等は、施術内容の照会調査があった場合に直ちに回答できるよう常時整備し、契約等に基づき保険者等や審査会から施術録などの提示や閲覧等を求められた場合は、応じることが求められます。

 2 療養費支給申請書(レセプト)の作成

1 療養費支給申請書(レセプト)の様式
はり、きゅうの施術に関する療養費の請求と、あん摩マッサージ指圧師の施術に関する療養費の請求それぞれについて、厚生局の定まった様式があり、当該様式でのレセプト請求が求められます。

2 作成上の留意点
療養費の支給申請書は、様式に沿って、施術日がわかるように記載することなどが求められます。

施術管理者は、初療の日から1年以上経過している患者で、かつ、1月間の施術を受けた回数が16回以上の者の申請書については、留意事項に基づく「1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書」に患者の状態の評価と併せて評価日と月16回以上の施術が必要な理由を記入し療養費支給申請書に添付することが求められます。

施術管理者は、往療料を請求する申請書について、往療した日付、同一日同一建物への往療かどうか、同一日同一建物への往療の場合に往療料を算定しているか否か、施術者名、往療の起点、施術した場所、往療が必要な理由、要介護度がわかる場合は要介護度を記入した厚生局の定まった様式による往療内訳表の添付が求められます。

施術管理者は、同意書等により支給可能な期間のうち初回の施術を含む申請書に、当該同意書等の原本の添付が求められます。なお、患者の施術継続中に患者の保険種別等の変更があり、変更後の初回の施術が同意書等により支給可能な期間内である場合、その同意書等の写しを変更後の保険者等への初回の申請書に添付することが求められます。

施術管理者は、施術報告書交付料を請求する申請書では、施術報告書の写しを添付し、同一患者に係る一連の施術で既に施術報告書交付料が支給されている場合は、「(前回支給: 年 月分)」に直前の当該支給に係る施術の年月を記載することが求められます。

施術を行った施術者が同一月内に複数人いる場合は、「摘要」欄等にそれぞれの施術者氏名とその施術日を記入することが求められます。

 3 長期・頻回な施術の償還払いへの変更

1 保険者の長期・頻回警告通知、償還払い変更
初療日から2年以上施術が実施されかつ直近2年のうち5か月以上月16回以上の施術が実施されている患者について、施術回数が頻回であり、標準的な施術回数等から勘案して、施術効果を超えた過度・頻回な施術である可能性がある旨を、事前に施術管理者と患者に対して、保険者が通知します。この通知のことを、以下、長期・頻回警告通知といいます。なお、患者が施術所や保険者を変更している場合は、変更前の施術所の初療日が基準とされ、変更前の月16回以上の施術月も含めるものとされています。

以上の長期・頻回警告通知が到着した月の翌月以降に、更に月16回以上の施術が行われた場合には、「1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書」を確認し、併せて施術管理者から提出させた「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を確認し、その結果、施術効果を超えた過度・頻回な施術が疑われる場合は、施術管理者と患者に対して償還払いに変更する旨を通知するものとされています。

2 施術管理者の対応
施術管理者は、保険者から長期・頻回警告通知を受けた場合、その到着月の翌月以降に更に月16回以上の施術を行う場合には療養費支給申請書(レセプト)の提出の際に「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を添付することが求められます。

また、施術管理者は、償還払い変更通知が到着した月の翌月以降の施術分は、受領委任の取扱いを中止することが求められます。

3 受領委任払いの再開
保険者は、必要に応じて、同意を受けた主治の医師や施術管理者等へ確認の上で、償還払いから受領委任払いへの取扱いに戻すことができます。その場合には、保険者は、事前に係る患者に対して通知することとされています。通知を受けた患者が当該通知を施術管理者に示すことにより、施術管理者は、通知年月日の翌月の施術に係る請求分から受領委任の取扱いを再開できるものとされています。


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対応を弁護士がサポートし、指導監査に同席します。


あはきの個別指導と監査のコラム


あはきの個別指導と監査のコラムの一覧です。
あはきの施術録(カルテ)や療養費支給申請書(レセプト)の他にも、コラムがございます。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の方は、個別指導の際に、また日常の運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法


1 あはきの個別指導と監査


 2 あはきの個別指導・監査の実例


1 あはきの情報提供の個別指導

2 あはきの監査欠席での中止

3 患者家族の情報提供での個別指導


 3 あはきの療養費


1 あはきの受領委任の取扱いの制度概要

2 あはきの施術管理者の要件、療養費の支給対象

3 あはきの施術録(カルテ)、療養費支給申請書

4 あはきの初検料、施術料、往療料、施術報告書交付料

SUNBELL LAW OFFICE厚生局 個別指導 監査

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