あはきの個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務をしています。
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ここでは、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の療養費の請求での留意事項の概要を、初検料、施術料、往療料、施術報告書交付料について、ご説明します。
なお、厚生局の
個別指導、監査に臨むあはき師(はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)の方は、厚生局の指導監査の基本的な仕組みや個別指導・監査への対応法など記載していますので、まずはこちらのコラム
あはきの個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。
あはきの療養費の請求での留意事項
1 初検料
1 はり、きゅうの初検料の留意事項
初検料は、初回の場合に算定できます。ただし、以下のとおり、患者について単純に初めての施術で算定できる、というものではなく、複雑なルールがありますので、十分留意が必要です。
患者の疾病が治癒した後、同一月内に新たな同意に基づき新たな疾患に対して施術を行った場合は、初検料を算定できます。
現に施術継続中の他の疾病について初回施術を行った場合は、それらの疾病に係る初検料は併せて1回とされ、新たな初検料は算定できません。
再発の場合は初検料は算定できます。
施術継続中に保険種別に変更があった場合の初検料は算定できません。
2 施術料
1 はり、きゅうの施術料の留意事項
同意書の有効期間に注意する必要があります。すなわち、同意書に記載された加療期間であり、初療または再同意日から起算して6か月までとなります。なお、初療または再同意日が月の15日以前の場合は当該月の5か月後の月の末日とされ、月の16日以降の場合は当該月の6か月後の月の末日とされます。また、加療期間の記載がない場合も同様であり、これを超える場合は、あらためて医師の同意が必要です。
診察・検査や療養費同意書交付を除き、同一疾病にかかる療養の給付との併用は認められません。
保険医療機関に入院中の患者の施術に係る療養費は、当該保険医療機関に往療した場合や患者が施術所に出向いてきた場合のいずれも算定できません。患者が施術所に出向いてきたケースで気付かなかったなどということがないように、注意して下さい。
施術料は、初回を含み疾病の種類や数や部位にかかわらず1日1回に限り算定できます。なお、同日に行われたはり術ときゅう術の施術は、それぞれ1術で算定せず2術で算定するものとされています。
2 あん摩マッサージ指圧の施術料の留意事項
同意書の有効期間は、同意書に記載された加療期間であり、初療または再同意日から起算して6か月までとなります。なお、初療または再同意日が月の15日以前の場合は当該月の5か月後の月の末日とされ、月の16日以降の場合は当該月の6か月後の月の末日とされます。ただし、変形徒手矯正術については、初療または再同意日から起算して1か月とされています。なお、加療期間の記載がない場合も同様であり、これを超える場合は、あらためて医師の同意が必要です。
頭から尾頭までの躯幹、右上肢、左上肢、右下肢、左下肢をそれぞれ1単位として算定します。
温罨法の加算は、1回の施術につき加算します。温罨法と併せて電気光線器具を使用した場合の加算は、あん摩、マッサージの業務の範囲内において、低周波、高周波、超音波、赤外線治療を行った場合に加算します。
変形徒手矯正術は、マッサージと併せて行うことから、マッサージの加算とする取扱いとして同一部位にマッサージと変形徒手矯正術の両方を行った場合に限り、両方の料金を算定し、また、6大関節(肩、肘、手首、股関節、膝、足首)を対象として1肢(右上肢、左上肢、右下肢、左下肢)毎に加算するものとされています。なお、変形徒手矯正術と温罨法の併施は認められません。
保険医療機関に入院中の患者の施術に係る療養費は、往療した場合や患者が施術所に出向いてきた場合のいずれも算定できません。患者が施術所に出向いてきたケースで気付かなかったなどということがないように、注意して下さい。
3 往療料
1 あはきの往療料の留意事項
往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に算定できるものです。治療上真に必要があると認められない場合、例えば、単に患家の求めに応じた場合や患家の求めによらずに定期的・計画的に行う場合は算定できません。
あん摩マッサージ指圧療養費に係る往療料を算定する場合は、施術の同意を行った医師の往療に関する同意が必要です。
2戸以上の患家に引き続き往療を行った場合の往療順位第2位以降の患家に対する往療距離の計算は、施術所の所在地または届け出た住所地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とし、ただし、かえって遠距離になる場合は、施術所の所在地または届け出た住所地を起点とするものとされています。
往療の距離は、施術所の所在地または届け出た住所地と患家の直線距離とされています。ただし、直線距離による算定が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合は、合理的な方法により算出した距離によるとされています。
直線で片道16キロメートルを超える患家への往療は、施術所の所在地や届け出た住所地からの往療を必要とする絶対的な理由がある場合を除き、施術料、往療料の算定は認められないとされています。絶対的な理由のハードルは相応に高く、往療では、この16キロメートルの距離について、十分注意する必要があります。なお、片道16キロメートルを超える往療で、絶対的な理由がなく、往療料の算定が認められない場合、施術料の算定も認められないとされています。
同一の建築物に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料は、別々に算定できません。ただし、やむを得ない理由があって同一の建築物に複数回赴いて施術した場合は算定できるものとされています。
往療に要した交通費は、患家が負担します。なお、往療時に要したバス・タクシー・鉄道などの交通費はその実費とし、自転車・スクーター等の場合は、当事者間の合議などによるべきですが通例は交通費に該当しないとされています。
往療料を請求する申請書については、施術者が往療した日付、同一日同一建物への往療かどうか、同一日同一建物への往療の場合に往療料を算定しているか否か、施術者名、往療の起点、施術した場所、往療が必要な理由、要介護度が分かる場合は要介護度を記入した厚生局の様式による往療内訳表を添付することとされています。
4 施術報告書交付料
1 あはきの施術報告書交付料の留意事項
医師の再同意が必要な場合に、施術報告書に、施術の内容、患者の状態・経過、1か月の平均施術回数を明記し施術の頻度などを記入し、その報告書と直近の診察に基づき医師が再同意を判断する旨を患者に説明し交付した場合に算定できます。
なお、一の同意書等で支給可能な期間の施術について施術報告書を患者に複数回交付した場合も算定は1回に限られます。また、初療や再同意日の属する月の5か月後(初療や再同意日が月の16日以降の場合は6か月後)の月に交付した場合または交付した月の前5か月の期間に施術報告書交付料を算定していない場合に限られます。ただし、変形徒手矯正術については、初療や再同意日から起算して1か月の期間の施術について施術報告書を交付した場合に1回に限り算定するものとされています。
施術者は、やむを得ず施術報告書を作成しない場合であっても、医師との連携のために、患者を診察する医師からの施術に関する問い合わせに応じるべきものとされています。
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あはきの個別指導と監査のコラム
あはきの個別指導と監査のコラムの一覧です。
あはきの療養費の初検料、施術料、往療料、施術報告書交付料の他にも、コラムがございます。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の方は、個別指導の際に、また日常の運営にご活用下さい。
1 個別指導と監査の対応法
1
あはきの個別指導と監査
2 あはきの個別指導・監査の実例
1
あはきの情報提供の個別指導
2
あはきの監査欠席での中止
3
患者家族の情報提供での個別指導
3 あはきの療養費
1
あはきの受領委任の取扱いの制度概要
2
あはきの施術管理者の要件、療養費の支給対象
3
あはきの施術録(カルテ)、療養費支給申請書
4
あはきの初検料、施術料、往療料、施術報告書交付料