マッサージの施術報告書交付料の算定留意事項です。厚生局のあん摩マッサージ指圧師への個別指導、監査は、あはきの指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

あはきの個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務をしています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、あんま・マッサージ・指圧師のマッサージの施術での療養費の請求に関して、施術報告書交付料の算定、取扱いについてご説明します。

ご説明は、「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項について」（最終改正２０２４年５月３１日）に基づくものです。あくまで２０２４年１０月１日時点での取扱いであり、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨むあはき師（はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師）の方は、厚生局の指導監査の基本的な仕組みや個別指導・監査への対応法など記載していますので、まずはこちらのコラムあはきの個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

療養費の請求での留意事項（施術報告書交付料）

　１　施術報告書交付料の基本的ルール

施術報告書交付料は、一の同意書、診断書により支給可能な期間を超えて更に施術を受けるため医師の再同意が必要な場合に、別紙６の施術報告書に施術の内容、施術の頻度（月平均○回実施というように１か月の平均施術回数を明記すること）、患者の状態・経過等を記入し、当該報告書及び直近の診察に基づき医師が再同意を判断する旨を患者に説明したうえで交付した場合（またはその旨を患者に説明したうえで支給申請書に添付するために必要な写しを交付し、患者に代わり患者が診察を受ける医師に原本を送付した場合）に支給できること。

なお、施術報告書交付料は、一の同意書、診断書により支給可能な期間の施術について、施術報告書を患者に複数回交付した場合であっても、支給は１回に限ること。また、初療若しくは直前の医師による再同意日の属する月の５か月後（初療若しくは再同意日が月の１６日以降の場合は６か月後）の月に施術報告書を交付した場合または施術報告書を交付した月の前５か月の期間に係る療養費の支給で施術報告書交付料が支給されていない場合に支給するものであること。ただし、変形徒手矯正術については、初療または再同意日から起算して１か月の期間の施術について施術報告書を交付した場合に１回に限り支給するものであること。

【コメント】
施術報告書は、医師と施術者が文書によるコミュニケーションを図り、連携を緊密にすることにより患者に必要な施術が行われる仕組みの一環として導入されたものとされています。

施術報告書の様式は、記入方法（手書き、パソコン等）や様式の作成方法（複写機、ワード、エクセル等）の定めはないが、様式に独自の記入欄を設ける等、施術者、保険者または保険医療機関ごとに様式が異なり医師に提供される情報に差異が生じることは適当でないので、施術者が視覚障害者であり定められた様式への記入が困難である等やむを得ない場合を除き、厚生労働省のウェブページに掲載されている様式を使用するなど様式を変更せずに使用することが望ましいとされています。

施術報告書の交付日は、施術を行った日ではなく、実際に施術報告書を交付した日付を記入するとされています。

患者が別々の疾患ではりきゅうとマッサージの同意書の交付を受けそれぞれ療養費の支給を受ける場合、施術報告書交付料についてもそれぞれ算定できるとされています。

施術報告書を交付する月の施術について、複数の施術者がそれぞれ施術を行った場合、施術報告書は、患者に対して中心的に施術を行った施術者が代表して記載するとされています。

　２　医師からの問合せ

施術者は、やむを得ず、施術報告書を作成しない場合であっても、医師との連携が図られるよう、患者を診察する医師からの施術に関する問合せに応じるべきものであること。

【コメント】
施術報告書を作成しない場合でも、医師から施術について問い合わせがあれば、応じるべきものとされています。

なお、施術報告書は、特段の事情がない限り、施術者において交付するよう努めるべきものであるが、「やむを得ず、施術報告書を作成しない場合」とは、例えば、施術者が視覚障害者であり、施術報告書の作成に係る負担が大きい場合等が考えられるとされています。

個別指導、監査に臨むあはき師の方は、お電話下さい。
対応を弁護士がサポートし、指導監査に同席します。

あはきの個別指導と監査のコラム

あはき（鍼灸マッサージ）の個別指導と監査のコラムの一覧です。
マッサージの療養費の施術報告書交付料に関する留意事項の他、様々なコラムがございます。
指導監査の際に、また日常の運営にご活用下さい。

　個別指導と監査の対応法

１　あはきの個別指導と監査

　マッサージの療養費の留意事項

１　マッサージの療養費（１）：療養費の支給対象

２　マッサージの療養費（２）：医師の同意書、診断書

３　マッサージの療養費（３）：施術料

４　マッサージの療養費（４）：訪問施術料

５　マッサージの療養費（５）：往療料

６　マッサージの療養費（６）：施術報告書交付料

７　マッサージの療養費（７）：施術録（カルテ）

８　マッサージの療養費（８）：療養費支給申請書